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メディカルサイエンスリエゾン(MSL)になる際に求められる能力

ポスドクから製薬会社社員(メディカルサイエンスリエゾン、以下MSL)になる際に、求められる能力や経験がかなり違います。MSLを目指すポスドクや博士課程学生もどうやら最近は増えているようなので、多少の役に立てばと思い、そのあたりを書いてみます。

MSLに必要な能力は以下の3点です。

  1. コミュニケーション能力
  2. 科学的な判断能力と知識
  3. 英語(論文が読める)

博士号持ちであれば、通常2,3は問題ないかと思います。受ける製薬会社が対象としている疾患に関する研究をしていればなお良いですが、生物・医学系の研究をしていれば、特に問題になりません。例えば募集条件にオンコロジー領域での経験と書いてあっても、オンコロジー未経験者が採用されることはあります。

博士課程持ちがMSL採用試験に落ちる主な原因が1になります。MSLは各疾患領域における著名な医師と面会することが主な業務になります。気難しい(もちろん気さくな方もいる)教授レベルの方々と面会し、相手の機嫌を損ねることなく、科学的な議論ができる必要があります。製薬業界と医師との関係は、昔よりマシになったとはいえ非常にパワーバランスが崩れているため、細かな気遣いが必要とされます。

そのため面接では、あえて圧迫面接をおこない、そのあたりの耐性や能力を見ることもあるようです。

 

ちなみに今まで行った研究の質などはほぼ完全に採用に関係ないため、論文数や各論文の質は全く気にしなくていいです。私は初めて就活をした際は、関係あると思っていました。

よって、初めから製薬会社への就職を目指すのであれば、ポスドク在籍年数は多くないほうがいいです。さっさと企業に入って、企業での就業経験を積んでいることのほうがはるかに重要になります。

掲題から少しずれますが、MSLで数年経験を積むとコミュニケーション能力が自然とかなり磨かれます。ビジネスの社会において、この能力は非常に汎用性が高く、今後様々な場面で長く役に立ちます。

ポスドクがビジネスの社会に飛び込む際の入り口として、MSLという職種は有用な選択肢であると思われます。